6月(葉山のとんかつ屋さんからの眺め)
2012年
アクリル、コラージュ、キャンバス
45.5 × 60.6 cm

中世
2012年
アクリル、キャンバス
65.2 × 91 cm

このたびBASE GALLERYは、下記の要領で高橋信行展「サンシャイン」を開催いたします。

取り留めもなく撮った写真や、雑誌の切り抜きをもとに彼の絵は描かれていく。それは従来から変わらない。
しかし彼の絵画は以前より更に、鷹揚な構えを見せて、私達の小賢しい言葉を封じてしまう。つまり一層普通になっているのだ。
制作の背後に細かな検証、度重なる推敲を重ねているにも関わらず、その息使い、緊張など全く感じさせることがない。
むしろ穏やかに私たちを包む風景の、地声だけ引出して描く。
題して「6月(葉山のとんかつ屋さんからの眺め)」。
私たちは元来風景に包囲される存在である。
だから折々、風景に自らを投影して、何かを推し量ることは人の習いと言ってよい。
それは人という当て所なき存在の、本来の素姓に沿った行状で、高橋の作品は粉飾を避けて、風景の素姓のみ拾遺し、
私の中に静かに分け入り、ついに胸の中に沈積に及ぶのだ。
サンシャイン:当たり前のようにあまねく光を及ぼして降り注ぐもの。
本展覧会はこう題された。

2014年、虎ノ門ヒルズ52階のbar に計10mの彼の絵画が設置された。話し、飲んで、仰ぎ見て、高みに位置す
る彼の風景はゆっくりとそこに座る人の胸に垂直に落ちて行くことだろう。

どうかご高覧の上、広くご喧伝賜りますよう宜しくお願い申し上げます。

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