洪浩は版画と写真、特にコンピュータを駆使した合成写真を主な表現手段とし、欧米での作品発表も多く中国現代美術作家の中でもすでに中堅的な存在と言えます。
洪浩の作品に共通するのは、斜に構えたようなその独特のユーモア感覚です。作品の材料として使用されるのは日常身の回りにあふれ転がっているような「もの」や「イメージ」ですが、それらの見慣れた「もの」や「イメージ」は巧みに解体され、また再度組み合わされ、ある確かな美しさと違和感、そしておかしみを備えて、もうひとつの現実として私たちの前に提示されます。
情報化によるイメージの氾濫と急速な消費経済の発展は、中国社会、特に都市部での生活に大きな影響を与えています。そんな状況を、深刻な批判ではなく軽やかな遊び心と笑いをもってすり抜けながら、洪浩は自らの作品に時代精神を投影し続けているのです。
洪 浩 略歴
展示作品(一部)

My Things No.2
119.5×209.5cm
写真
2001-2002 / edition of 12

My Things No.6
119.5×209.5cm
写真
2002 / edition of 12

Mr. Gnoh, The Person Whom I Know Well No.1
82x60cm
写真
1997 / edition of 15

Selected Scriptures, page 1999
55x78cm
シルクスクリーン
2000 / edition of 68
展覧会カタログ
21x27cm / 18ページ / 図版13点
馮博一(Feng Boyi)による評論「鏡の中の世界と形の外のイメージ-洪浩の芸術創作について」
価格:800円(税込)
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