内田かんぬは日常のすぐそこにあるものを描きます。静かに息をひそめた普通のもの、余りに普通すぎて呼称さえ分らぬもの、それを画面一杯に描いてきました。
誰もが気にかけぬものーそんなものだけに、目をかけて大きく描くと、物は画面の中でさらに得体の知れぬ形へと姿を変えてしまいます。
内田の描く行為は物の本質を問うというより、私達がものを見ること自体を揺さぶり、さらに世界の確信がいかに頼りないものかを明らかにするものです。
身近なすぐそこにある、だからこそ私達の全てである日常の世界は、内田の画面をとおして思いがけぬ表情を見せます。それも少し明るい笑いを含みながら。
内田 かんぬ 略歴
展示作品(一部)

水栓
162x162cm
アクリルガッシュ、ジェルメディウム、ジェッソ/ベニヤパネル、綿布
2002

松屋銀座
91x91cm
アクリルガッシュ、ジェルメディウム、ジェッソ/ベニヤパネル、綿布
2002
展覧会カタログ
27x21cm / 13ページ / 図版11点
白坂ゆりによる評論「ささやかでタフなユーモア」
価格:600円(税込)
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