ある一枚の写真から、城田圭介の絵画は生まれます。
写真は画面に貼り付けられ、そこを起点にしてグレーのモノトーンでペインティングを描いていきます。
ファインダーは覗かず、オートフォーカスで無作為に切り取られ、記録された風景は、確かに見た視界の一部であるにもかかわらず、茫洋な記憶でしかありません。あるものは明確に、またあるものは曖昧に、私達の意志とはうらはらに、見たものの膨大な記憶は頭の中で遠近を作りだしていきます。果たして自分はそこに居て、実際にそれを見た
のだろうか。遠く、近くに立ち上っては消えていく記憶の集積は、それぞれが曖昧でありながらも、それが私達を形作るものだと知らされます。
城田の絵画は、見ることは何かと問い掛けると同時に、取り巻く世界の頼りなさを私達に訴えかけます。

本展は、城田圭介の初個展となります。

城田 圭介 略歴
展示作品(一部)

A SENSE OF DISTANCE #14
91×72.7cm
写真、アクリル/キャンバス
2004

A SENSE OF DISTANCE #1
112.1×193.9cm
写真、アクリル/キャンバス
2004

A SENSE OF DISTANCE #12
72.8x103cm
写真、アクリル/キャンバス
2004

A SENSE OF DISTANCE #5
80.3×130.3cm
写真、アクリル/キャンバス
2003
展覧会カタログ
21x27cm / 14ページ / 図版15点
城田圭介による序文「A SENSE OF DISTANCE」
価格:700円(税込)
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