Landscape 2011

2011
W160 x D120 x H64 cm
cast iron, sand

佐脇健一は1949年大分生まれ。 1971年東京芸術大学大学院修了以来、風景彫刻の制作を続けてきた。彼の創る風景は私達が日頃見慣れたそれとは大きく異なり、いずれも打ち捨てられ朽ち果てていく、赤く錆びた風景である。言うまでもないが私達もついに朽ち果てて行く存在とはいえ、それを失念することで一日をやり過ごす。そんな動かし難い摂理を佐脇の風景はあらためて思い出させるものだ。しかしそれは暴くのではなく、別れの感情を伴いながら、深い安堵を私達に呼び起こす。佐脇の風景は朽ち果てる私達が親和に満ちた感情をもって眺めてしまうものなのだ。佐脇は圧倒的な技術を身につけ、自らの表現の成熟を育んできた。殆ど今まで作品発表をしていない。それは昨今の、戦略に満ち、自らの生理も見出せぬ作家・作品に比べると、彼の風景は強い創造の熱意と技術を伝えてくるもので、あらためてアートの力を私達に知らしめるものである。
是非ともご高覧賜り、広くご喧伝下さいますよう、ご案内申し上げます。

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