林田直子は空と水を描いてきました。空には多様な雲を浮遊させ、水には鯉を泳がせて、空と水のありかを示します。
私達をはさむ天と地の間にある目には定かに見えぬものに、何かを浮かべて描き出すその作品は、見る者に強い既視感を与え、遠い記憶を覚醒させる力があります。それは、いずれも普通の川辺や谷間の風景を描いていながら、作家が真に描こうとしているのは私達を包む皮膜に近いものだからかもしれません。
林田直子の絵画が持つ、何かを呼び戻す懐かしさは、そんなところから来るように思われます。
展示作品(一部)

合流?
130x130cm
油彩/キャンバス
2002
展覧会カタログ
27x21cm / 9ページ / 図版7点
松永康による評論「私を見つめる絵」
価格:600円(税込)
林田 直子 略歴
1965東京都生まれ
1987武蔵野美術大学 造形学部 油絵科 卒業
2001 徳島県神山町アーティスト・イン・レジデンスに参加 (10/1~11/11)
個展
1993ギャラリー21+葉(東京)
ギャラリー21+葉、杣保画廊(東京)
1995「創ることへの視点‐Vol. 3」ギャラリー21+葉
1996ギャラリー21+葉(東京)
2001ギャラリー21+葉(東京)
2002ベイスギャラリー(東京)
グループ展
1994「自慢・満足II」ギャラリー21+葉
「21世紀・的・空間‐現代美術と民族的空間の出会い:日本の眼と空間III」セゾン現代美術館(長野)
1998「VOCA展 ’98」上野の森美術館(東京)
「第15回平行芸術展 ― イメージ・ストーカー」小原流会館エスパスOHARA(東京)
1999「IMPACT ’99」ギャルリーユマニテ東京(東京)
「メディテーション ― 真昼の瞑想」栃木県立美術館(栃木)
2001「色の博物誌・緑 ― 豊潤な影」目黒区美術館(東京)
2002「“EXPORT”神山アーティスト・イン・レジデンス1999-2001」
ヨコハマポートサイドギャラリー(神奈川)
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