絵画と石彫という2つのジャンルで一貫して抽象表現を追究してきた濱田亨が、初めての試みとなる具象の新作絵画を発表します。
牛やライオン、犬や猫の姿が風景の上に唐突に切り貼りされたような表現は一見ユーモラスで強烈ですが、それらの出演者たちも色彩、フォルム、筆触といった絵画の真の主役たちの引き立て役にすぎないことに私たちは気づかされます。具体的な描写が課す色と線の制約の中で、画家はそれでも色と線に対して自由奔放であろうとして、具象と抽象との便宜的な境界の曖昧さをもあっさりと暴露してしまったようです。

濱田亨は1953年愛媛県生まれ。十代で渡欧し、現在はフランス・パリ在住。河口湖美術館、京都大学付属病院などパブリック・コレクション多数。

本展では動物や人間像を描いた約10点を展示いたします。

濱田 亨 略歴
展示作品(一部)

T-5-F-4
144x114cm
ミクストメディア/キャンバス
2005

T-5-F-8
73x92cm
ミクストメディア/キャンバス
2005
展覧会カタログ
27x21cm / 8ページ / 図版10点
価格:500円(税込)
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