「歓迎、歓迎 ~ 北京の現代美術」展を開催いたします。
急激な変貌を続ける中国の首都・北京に生活と制作の拠点を置く、新しい世代の中国人アーティストたちの、平面作品を中心とした展覧会となります。

民主化運動の挫折を経験した90年代以降、欧米が求める「中国」のイメージに寄り添った作品が中国現代美術のメインストリームを形成してきました。しかし近年、改革開放の流れの中で、社会内存在としての自覚を保ちながらも個人的衝動を強い動機として作品制作に取り組む作家も確実に増えてきています。

例えば李松松(リ・ソンソン)は、中国政治史上の出来事の写真をもとに大画面の油彩を描きますが、そこには政治的なメッセージよりもむしろ、自らが根差す社会の出自を自分自身の目で捕捉し確認しようとする強い個人的意志が感じられます。

中国ならではの具象絵画の豊かな伝統と高度な技術の延長線上に、冷静な客観性やユーモアをまとって表現される彼ら新世代の作品は、世界との対話であり、また同時に自己との対話でもあります。個人的であるがゆえに、かえってそれらの作品は世界的な普遍性を獲得しているのかもしれません。

出展作家
季 大純(ジ・ダチュン)
張 東亮(チャン・ドンリャン)
李 松松(リ・ソンソン)
仇 暁飛(チュウ・シャオフェイ)

展示作品(一部)

李 松松 Li Songsong
歓迎、歓迎
180x320cm
油彩/キャンバス
2001

季 大純 Ji Dachun

110x110cm
アクリル、鉛筆/キャンバス
2002

張 東亮 Zhang Dongliang
あなたは何を探しているのですか?
40x40cm(9点組)
油彩/キャンバス
2003

仇 暁飛 Qiu Xiaofei
大摩天輪
200x150cm
油彩/キャンバス
2003
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