2002年7月5日(金)~8月2日(金)
著しい変化を見せる北京。北京在住の画家、張大力は闇に紛れて街中の壁にすばやく落書きを施し立ち去ります。壁は次日壊されるかもしれず、それどころかそのエリア全てが消失するかもしれない――これが張大力の住む街なのです。 同じ落書きが至るところに見られるようになるとき、落書きは単なる落書きではなくなり、さらにそれがすみやかに消え去り、再び描かれるものとしたら……それは都市に住む多くの人の意識に刻印され、暮らしのどこかをくすぐり始めるのです。 かつては国際交流基金フォーラムで開催された展覧会「予兆:アジアの映像芸術展」に出品された作品は、こうした都市の変貌とそれに翻弄される人たちの生活を把えたものでした。 本展はこんな都市に流れ込んでくる移民たちの顔がテーマになっています。その顔は全てAK-47――ロシアのマシンガンの呼称(その殆どが中国産である)――という文字で構成されています。何の保証もない不安定な移民のうつろな顔にこそ実は暴力が密みやすいこと、表情はAK-47という禍々しい文字で描きうること。 本展は人と急激な変化を遂げる中国の都市が生み出す不安定な空気を描いた張大力の、ベイスギャラリーでの初個展となります。 |
張 大力 略歴 |
展示作品(一部) |
AK-47 100x80cm アクリル/ビニール 2002 |
AK-47 180x150cm アクリル/ビニール 2001 |
Dialogue. Beijing 写真 1999 |
展覧会カタログ |
27x21cm / 17ページ / 図版17点 馮博一による評論「張大力 北京の『顔』」 価格:800円(税込) |