2005年9月7日(水)~10月12日(水)
ニューヨーク在住のアーティスト・市村しげのの個展「光と時間」を開催いたします。 市村は1997年に全米最大のアートコンペティションのひとつ「テキサス・ナショナル」でアジア人として初の入賞(第2位)を果たし、2002年にはニューヨーク芸術基金よりフェローシップを受賞しています。本展は、NYを中心にすでに多くの展覧会において作品を発表している市村の、日本では初の個展となります。 今回の個展では、「シルバー・モノクローム」と「タイム・コンプレッション(時の圧縮)」の2つのシリーズから、新作を中心に展示いたします。 「シルバー・モノクローム」は、銀色の平面上に集合離散する多数のドットを浮き上がらせ、光の反射のみによってイメージを表出させた作品です。視覚の前提となる「光」の存在に文字通り光を当てながら、個と全体の関係性というこの世界の構成原理そのものを表現しています。 「タイム・コンプレッション」では、ペースト状の鉄粉を酸化させて得られる鉄錆の模様がキャンバス上に呈示されます。鉄の酸化というプロセスに要した時間そのものが画面に内包され、隣り合う同サイズの作品同士の表面の微妙な相違は個性という概念の偶然性や相対性を暗示します。 「光」と「時間」をキーワードに、従来の絵画平面や描くという行為の概念を逸脱しつつ、観る者の感情や記憶を引き出し揺り動かす、市村の作品を是非ご高覧ください。 |
市村 しげの 略歴 |
展示作品(一部) |
Off Center 120x120cm 工業用塗料/キャンバス 2005 |
Reflection #3 60x60cm 工業用塗料/キャンバス 2005 |
Time Compressions 25x25cm (28点) 酸化鉄(鉄錆)/キャンバス 2005 |
展覧会カタログ |
27x21cm / 13ページ / 図版12点 ジュディス・ペイジによる評論「市村しげの展によせて」 価格:700円(税込) |