津田亜紀子の作品には多くのきわだった特徴を見出すことができます。網状に覆われた人体、透過する樹脂という素材、型取りの痕跡、施された花柄の布地。量塊を誇る多くの立体作品に対し、津田の作品はやわらかな反語で立ち向かいます。
一見儚げな薄く透明な網状の皮膜は、内外の空気を自由に交通させながら、確かにここにある強い個の実在を示し、ゆっくりと空間の変容を促していきます。
消失していくからこそ、強い感情と記憶を残すー津田作品はそんな私達の根源的な摂理を想起させます。
津田 亜紀子 略歴
展示作品(一部)

椅子に座る
41x66x124cm
樹脂、レース、布
2002

紐を結ぶ
(左)67x47x150cm / (右)54×39.5x85cm
樹脂、レース、布
2002
展覧会カタログ
27x21cm / 8ページ / 図版7点
小泉晋弥による評論「結び―ほどかれる、主題―物体 津田亜紀子の彫刻空間
価格:600円(税込)
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