空の根っこ -Le radici del cielo-
2013年
各 80 x 80 x 4.5 cm
木版、糸、オーガンジー、木枠
撮影/三木麻奈

撮影/三木麻奈

ウチ / ソト -dentro / fuori-
2013年
各 100 x 50 x 4.5 cm
木版、オーガンジー、木枠
撮影/三木麻奈

空の根っこ -Le radici del cielo-
2013年
各 30 x 60 x 3.5 cm
木版、糸、オーガンジー、木枠
撮影/三木麻奈

この度、BASE GALLERY は下記の要領で宮山香里展 『空へ降りる方法 –il modo di scendere al cielo-』を開催致します。

宮山は国内の大学で社会学(文化人類学)を修め、その後ミラノのブレラ国立美術アカデミー絵画科で学んだ。
2001年の渡伊以来、12 年に及びイタリアを中心に各国で制作発表を続けている。
宮山の作品に「こことそこのあいだ」または「内と外のあいだ」と名付けられたものがある。
宮山は表現に敢えて版というフィルターのかかった技法を選び、作品を囲いこむ制度―額装―から少し距離を置く。
更に作品を固定の視点にさらすことを避ける。それは明確な句読点を巧みにやり過ごし、断言を遠ざけるかのように思える。
ただあてどなく揺らぎ、どこが表とも裏とも判じられぬ、いわば間(はざま)―あわいに似た定かでない場所に何かを見出し、表現を試みるのだ。
生きていると虚実、前後、天地、すべて人は相反する観念に包囲され、明確な表現は実は何物も伝えることはない、
そんなことを雑漠とした生活の中で私たちは自然に会得してしまう。
文化人類学を修め人の群れに分け入った後、
表現の手段を得た宮山はやはりごく普通に、すべての物事は矛盾と相反の暗闇に潜んでいて、
表現はそれに柔らかく沿うことだと思うに至ったのだろう。宮山の緩やかに揺れる布のドレープを通過すると、断言できぬ、だからこそもどかしい美しさを体で感じ、
表現のもつ暖かさに包まれることに気が付く。

本展は海外でも多くの発表を続ける宮山の久しぶりの国内展であるとともに、当画廊での初めての個展となります。
どうか広くご喧伝の上、ご高覧賜りますようご案内申し上げます。


作家のことば

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